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ワットメーター

(2018.6.6 作成)

 右写真のワットメータを作成したのですが、その際の基板など残材が多く残っています。

 下に書いていますがこれには市販品にはないいくつか特徴があるので、もしかしたら買ってくれる人がいるのでは?と思い至りました。

 そこで宣伝もかねて簡単にこのワットメーターについて紹介してみようと思います。

本製品の特長

 世の中には既に右に示したようなワットメーター/ワットモニターと称する製品はいくつか出ているのですが、ここで紹介しているワットメーターはそれらと違っていくつか有益な?マニアックな?特徴があります。

 いくつか挙げてみますと


  • 電流と電圧を同期して計測し、実効電圧を計算します。
  • 電流/電圧とも12bit分解能、最大18kHzでサンプリングできます。
  • ただしメモリは128kBしかありませんので最高周波数だと7秒しか記録できません。
  • 電流については計装アンプとオートゲインコントロールにより高精度に計測します。
  • 電流、電圧、位相差についてはユーザーで調整することが可能です。Flashに書き込むためのhexデータ作成ツールを添付します。
  • 本体はボタンが一つあるだけ(押すたびに計測します)で、基本的にはPCからの操作を意図しています。
  • PCからは仮想COMポートとして見えます。操作のための簡単な計測ソフトは添付します。
  • コマンドを開示しますのでPCからCOMポートを通じて任意の操作をすることができます。このため例えば短い周期で計測を繰り返し行うことで長時間の電力変動を取得することができます。また例えば一定の電力値がある時間継続したらシャットダウンする、などといった応用も可能です。
  • マイコンファームウェア(STM32)、PC操作ソフト(C#)、基板回路CADデータ(KiCAD)、メカ3Dデータ(Fushion360)は希望があれば提供します。

測定例

 このワットメーターでは電流と電圧の波形を同時に測定することができます。また継続して電力測定を行うことで長時間の電力変化を測定することもできます。

 下にいくつかその例を示します。

携帯電話充電

 充電中の携帯電話の電力を測ってみました。計測値で4.187Wでした。

 5V1AのACアダプタ経由なのでこんなものかな?と思います。

ドライヤー

 テスコム 製ドライヤー(TID925-P)です。カタログ値1000Wに対して、計測結果は981.7Wでした。

 まぁこんなものかなと思います。

マッサージ機

 ドクターエア社のマッサージシートMS-002です。こちらは瞬時の波形ではなく起動後の電力変化を測定してみました。

 カタログ値53Wですが、最大でも35Wぐらいでした。シートのバイブレータを使うと53Wまで行くのかもしれません。

 もみ玉が動くに従って電力が変化するのが分かります。なぜか肩もみの電力が高いようで、見ていて面白かったです。

 これら以外にも試作段階でWiiUや液晶テレビなどいろいろと測っているので、こちらも見てみてください。

ソフトウェア

 ソフトウェアは2種類作成しています。ともに希望があればソースコードをお渡しできます。

 こちらは計測用のソフトです。周波数と測定時間を入力して測定ボタンを押すだけで測定します。

 1回計測し電流/電圧波形を計測するモードと、連続して計測し電圧だけ表示する2モードがあります。

 こちらは電流・電圧のゲインと位相差を調整する調整パラメータを作成するソフトです。ボタンを押すことでIntelHex形式の補正データを作成しますので、ST-Link Utilityを使って書き込めます。もちろん書き込み冶具は必要ですが、、、

ハードウェア

 回路図は組み立てに必要だと思いますが、その他のハードウェアの設計情報 - パターン図(KiCAD)と3D CADデータ(Fusion360)も希望があれば提供いたします。

通信コマンド

 ドライバをインストールすることでPCからは仮想COMポートとして認識できますので、自由に操作することができます。以下に簡単なコマンドリストを示します。

コマンド 概要
set rate "val" サンプリングレートをval値に設定
set period "val" 計測時間をval値に設定
acquire 計測開始
get data_vi 電圧/電流の時系列情報を返す
get data_p 計算した電力のみ返す
get sysinfo 現在の設定値などを返す
get machine_info FWバージョンを返す

 ボタンを押して測るというだけなので、非常に単機能なコマンドしかないです。

販売形態について

 半完成品です(販売ページ)。写真の通りアクリル製の簡単なケースがつきます。購入後適当な延長ケーブルを使用して電流、電圧トランスに接続することですぐに使えるようになります。

 アクリルの加工がかなり大変なので、申し訳ないのですが高額での販売とさせてください。

 組み立て前のキットです(販売ページ)。当然使用するにははんだ付けしていただく必要があります。

 きっと自分ではんだ付けをした道具であれば愛着もわくはず!!

 いくつかの部品は0.5mmピッチなので、はんだの付けがいはあると思います。

コメント: 3 (ディスカッションは終了しました。)
  • #3

    Wallaby (日曜日, 11 10月 2020 23:43)

    ご回答ありがとうございました.

  • #2

    管理人です (水曜日, 07 10月 2020 22:20)

    ご連絡ありがとうございます。
    ファームウェアはSTM32 Cube IDE 1.4.0
    PCソフトはVisual studio 2019
    で動作確認をしております。

  • #1

    Wallaby (火曜日, 06 10月 2020 23:02)

    ファームウェアの開発環境(コンパイルツール)を教えていただけますか。