リチウムイオンバッテリー保護IC(DW01)

(2018.12.1 作成)

 Fortune Semiconductor社のバッテリー保護IC(DW01)を紹介します。この会社のサイトを見ていただければわかるように様々なバージョン違いの保護ICが製造されていますが、その中でもここではDW01A-Gという型番のICについて紹介したい思います。とても有名なICのようでググると数多くのサイト様がヒットします。

 ところでこのDW01単体では直接電流を止める機能はありません。そこで別途FETを設置し、異常発生時はそこへ制御信号を出して電流を止めることになります。このFETについてはよく同社のFS8205Aが使用されており、AliexpressではDW01と合わせて1セット数円で販売されています。

 FS8205Aというのは2個のNch-FETのドレイン同士が接続されており、ボディーダイオードを利用して電流を一方通行にしたり遮断したりなどができるなかなかの優れものです。

 今回自分でどのように動作するのか理解するために簡単な実験を行いましたので紹介しようと思います。

評価

 評価に関しては以下のような簡単な回路を手作りで作成しました。DW01の仕様書にある参考回路図にあるものと等価なものです。評価については安定化電源と電子負荷を使用しました。

通常動作

 通常動作時は図のように充電時は時計回り、放電時は反時計回りに電流が流れて使用できます。FETは低圧側に設置し、何らかの異常が発生した際にはDW01がどちらかのFETを使用して電流を遮断することになります。

過電圧保護

 バッテリーの電圧が既定の電圧(DW01Aの場合は4.3V)を超えると左側のFETがOFFになり、それ以上充電できなくなります。実測では4.29Vで遮断されました。

 この過電圧保護には一つ注意点があり、入力電圧が高いことに対しては保護されません。最初バッテリー側に電子負荷をつなぎ、入力電圧を上げてみたのですが電子負荷には電流が流れ続けました。

 回路図の左側端子に電子負荷をつなぎ、右側に電源を接続した放電模擬状態だと4.29Vで電子負荷への電流が遮断されていることが確認できました。

過放電保護

 バッテリーの電圧が既定の電圧以下になると放電ができなくなります。DW01Aの場合は2.4Vです。実際に測ってみたところ2.41Vで遮断されました。

 ただ2.4Vはリチウムポリマ電池としては放電しすぎだと思うので、この保護回路に期待せず別の方法で電圧を監視したほうが良いと思います。

過電流保護

 FETの両端の電圧が既定以上になると過電流と判定され放電が遮断されます。DW01Aの場合は150mVです。実測では148.7mVで遮断されました。

 ところでFETの両端の電圧ですが、これはFS8205Aのデータシートによると約30mΩです。ということは遮断される電流は150/(30x2)=2.5Aのはずです。

 しかし実測では1.42Aで遮断されました。これは抵抗100mΩに相当します。電流を多く流したい場合は微妙な線だと思うので、しっかり事前調査しておいた方がよさそうです。

 

 リチウムイオン電池は発火等があり、とても怖いので安全回路だけは手を抜けないですね。