(2018.1.1 作成)
(2018.5.4 訂正)
このページではブレッドボード用の電源を紹介したいと思います。
紹介するモジュールは下の写真のモジュールになりますが、裏面にDIYmoreと印刷されています。調べてみるとこのロゴは深圳市四海芯舟科技有限公司さんのロゴのようです。しかしWebサイトを見てもこのモジュールは見当たりませんでした。要するに正体不明です。。。
また、このロゴがなく電解コンデンサの数が違う別のモジュールもあるようです。
ところでブレッドボード電源として探すと右の写真のものも見つかります。しかし今回紹介しているモジュールの売りとしてはこれと比べてブレッドボードを広く使えることが売りの一つのようです。またさらに左右の出力をそれぞれ独立して3.3V, 5V出力に設定できるというのもメリットかもしれません。
一方でデメリットもあり、写真の黒いモジュールではUSBソケットを入力として使用することもできますが、このページで紹介している白いモジュールのUSBソケットは出力のみになります。出力なのに入力のようなソケット(タイプB)がついているのは謎仕様です。。。
この黒いモジュールについてはこちらに回路図等の情報がありますが、回路図を見る限り3.3V出力は5Vから作っているようです。この場合は(入力電圧)→5V→3.3Vと2回変換を行うため、あまり大きな電流を取り出すことはできないと思われます。
このモジュールの回路図は調べた範囲では見つけられませんでした。そこで私の方で調べて回路図を作成してみました。
右図のクリックで拡大します。
使われているレギュレータはAdvanced Monolithic Systems社のAMS1117です。このため入力電圧範囲や出力特性はこのICの仕様に従います。ということで
になります。
このモジュールの性能を評価するため電子負荷につないで性能を評価してみました。
やったことは写真の通り安定化電源を使って電源電圧を変更しつつ負荷を変更してゆくという方法です。
出力は3.3Vと5Vにそれぞれ分けて評価を行いました。結局はAMS1117の評価と同じことだと思います。
3.3Vの出力を確保するためには入力電圧を6V以上にしないと負荷をつないだ際に電圧降下が発生するようです。このため5Vで入力した場合は負荷をつなぐと電圧降下が起きていると思います。
一方で入力電圧をを7V以上としても1A近い電流を流せば電圧降下が発生します。これはチップ温度が高くなりすぎるため保護回路が働いているためと思われます。ただブレッドボードで1Aを流すことも少ないと思いますのであまり影響はないかと思います。
5Vの出力を安定的に取り出そうとする場合には7V以上の入力が必要になりそうです。ただし3.3V出力の場合は温度が高くなると出力が低下するのですが、5V出力の場合は温度が高くなると出力電圧が増えるようです。グラフ上では7.5Vまでで切れていますがこれは単に壊れそうだったからそこで計測をやめただけで、実際にはどこまで出力が上がるかよくわかりません。
例えば下のグラフでは12V入力600mA出力で電圧が6Vにまで上昇しています。USB充電器として使用するのはやめた方がよさそうですね。
ブレッドボード用電源もいくつかあるようですが、安いものなので一つぐらい持っていても良いかもしれません。ただその中でも3.3V出力と5V出力が独立しているこちらのタイプのモジュールが良いのでは?と思います。