(2021.5.16 作成)
このページでは写真のPWMコントローラーについて紹介したいと思います。
いろいろなものの実効的な電圧調整に利用されるツールで例えばモーターのスピード調整、LEDの明るさ調整などに使用されます。管理人の場合はファンのスピード調整に使えないかなと思って購入しました。
この基板は日本のAmazonでも5A PWMコントローラーなどという名称で検索すれば多く出てきますが、1個200円ぐらいで購入できます。しかしAliexpressであれば半額以下で購入できるのでこちらがお勧めです。
この基板にはHW-687と印字があるためこの名称で検索すればいくつかレビューサイトを見つけることができます。その中でもElectro Schematicsのレビューページは解析した回路図まで記載しており、とても参考になります。
さてこのコントローラーですが、安いため多くのサイトで紹介されています。よって使い方等についてはそちらを参考にされた方がいいと思います。そこでこのページでは管理人がどうやって動くのかお勉強がてらに見てみた結果を紹介してみたいと思います。
ちなみに動作原理ですが、有名な汎用タイマーIC(NE555)を使用してPWM信号を作成しており、FETをローサイドスイッチとしてOn/Off動作させています。また同時にこのNE555を動かすために5Vのレギュレーターも載っています。このNE555の使い方もPWMを発生させる標準的な回路構成になっており、よくご存じの方にとっては何の面白みもない回路かもしれません。私にとってはNE555に触れる初めての機会なので勉強させていただきました。
さきに紹介したページの回路図をもとにLTSpiceで回路図を描き、動作を確認しました。使用されている部品はすべてLTspiceのデフォルトで準備されており簡単にモデルを作ることができます。負荷としてはとりあえず10kOhmの抵抗としました。
実際にこのモデルを計算してみたときのM-端子(FETのドレイン端子)の電圧をプロットしたものが左の図です。
抵抗とコンデンサだけであれば周波数は1/(ln(2)*1n*101k) = 14kHzになるのですが、ダイオードが入っているためか20kHzと計算されています。
またこの波形の0VのところがFETがOnになっているタイミングなのでこの期間が負荷に電流が流れている時間になります。その後FETがOffになるとゆっくり電圧が上昇し負荷への電流が減っていっていることが分かります。しかしなぜここがゆっくりなのかはよくわかりませんでした。FETの寄生容量なのかな?改善するにはトーテムポール型にする?よくわからないです。。。
次に実際に計算通りの結果が得られるか10kΩの抵抗をつけて測ってみました。線だらけでぐちゃぐちゃして不細工ですが、一応これで測れています。
これが実際に測ってみた結果です。赤がM+で負荷へ行く電圧、黄色がM-で負荷から戻ってきた電圧です。実際に負荷に加わっているのはこの差分ですね。
黄色の線を見ていただくときちんとシミュレーション通りの波形が観測されており、周波数は19.95kHzでした。
右の図はオシロで抵抗の両端を挟んで計測した結果です。当然ですがM+とM-の差をとったような波形が観測されており、PWMとして駆動できていることが分かります。
次に純粋な抵抗ではなく、実際の使用用途に近く、モーターのように変な挙動を示さないであろうLEDストリップを使って同様に計測してみました。
同じようにM+とM-の電圧を測ってみると、、、 あれ?FETのOff期間にM-の電圧がM+の電圧まで戻っていません。
LEDの両端電圧を見てみると確かにOn期間は所定の10Vが印可されていますが、Off期間を見ると7.5Vぐらい電圧が残っています。
なぜでしょう???抵抗の場合は電源側に電流が逆流して電圧が下がるけどLEDの場合はダイオードだから電圧が下がらないのかな?
最後ですが、最初に紹介したレビューページの最後に紹介されている改善提案の回路図もシミュレーションしてみました。
これは管理人にはちょっとメリットがよくわからないですね。Dutyをほぼ0%ぐらいまで下げられるぐらいしか違いがよくわかりませんでした。