(2020.4.21 作成)
以前別のページで紹介した中華製ST-Link V2のクローンですが、いつの間にか追加購入していて2個持っています。
この2個を並べてみると似たような色なのですが微妙に色合いが異なります。しかもよく見てみるとピンヘッダのピン配置が異なります。
USBコネクタを押し込むようにすると簡単にアルミの筐体から外せるのですが、中身を確認したところ微妙に基板が異なります。取り付けられているマイコンを見ると上がSTM32F101で下がSTM32F103が使用されていました。
どうやら海外のサイトを見てもこの2通りのバージョンがあるようです。
この2バージョンのピン配を見てみると以下のようになっています。何も考えずにつないでしまうと動かず悩んでしまうかもしれないので、お気を付けください。
Pin No. | F101 | F103 |
1 | RST | RST |
2 | SWCLK | SWDIO |
3 | SWIM | GND |
4 | SWDIO | GND |
5 | GND | SWIM |
6 | GND | SWCLK |
7, 8 | 3.3V | 3.3V |
9, 10 | 5.0V | 5.0V |
さきのページにも記載しましたが、このST-Link V2 CloneのReset端子は機能していません。通常はソフトリセットを使えばよいので問題ないのですが、Standbyモードなど低消費電力にするとハードリセットを組み合わせないとうまくデバッグができません。
Nucleo基板のST-Link部分を使えばハードリセットができるのでそれでもよいのですが、小型で使いやすいこのClone基板を使えた方が楽ちんです。ということでこのCloneのResetを動かすことにしてみました。
まずは期待動作を確認しておきましょう。右はNucleo基板のST-Link部分を使用してF103C8T6 Bluepill基板のFlashにデータを書き込んだ例です。上から3番目のRSTピンが最初に0Vに落ちていることが分かります。
そして次は同じ設定でこのClone基板を使って書き込みます。つなぐときは下の写真の様にBluepill基板のRSTピンに線をつなぎます。この状態で書き込んでみるとSW4STM32でエラーが表示されますが、無事書き込めます。その際のRSTピンの動きを見るとピクリとも動いていないことが分かります。
さてこのClone基板をどう改修するかという話ですが、まずこちらに回路図があります。この図を見るとRSTピンは抵抗を介してPB5ピンにつながっていることが分かります。一方本来のRSTピンの位置はこちらに記載があるようにPB0ピンのようです。
よって改修としてはRSTピンにつながっている抵抗を外し、PB0ピンとRSTピンをつなぎます。
マイコンの使用を見るとF101もF103も同じピン配置なのでどちらもここに頑張って線をつなぐということになります。
はい。がんばって繋いでみました。老眼の進行した目ですが、なんとかギリ成功しました。失敗しても100円ぐらいなので気にせずトライできます。
さて、こうやって接続したRSTピンですが、確認してみると無事Flash書き込み時にRSTピンが動いていることが確認できました。
これでStandbyモードなどを試せるようになりました。ちょっとはんだ付けは面倒ですが、使い勝手が向上してよかったです。ご参考まで。
管理人です (金曜日, 10 7月 2020 23:24)
森のカエル様
すごい調査ですね!
ファームは公式サイトでJ32までは遡れそうですが、J17まではわからないです。ごめんなさい。
まずは新しく購入した物のファームを吸いだして動かなくやったやつに移植するので復活を期待するという感じでしょうか?
しかし最新のファームでないと更新を求められたような気がするのですが、古いファームって使えるんでしたっけ??
それに、当たり外れがあるってのは嫌ですね。
ファームを更新したらST-Linkが動かなくなったとしても、それがF102だったせいだなんてふつう気づかないですよね。
自分が最初に買ったものが102だったらと思うとゾッとします。
森のカエル (金曜日, 10 7月 2020 20:03)
人柱してみました。
同じところから追加で買ってみて、STM32F102が入ったのが届きました。
ファームウェアの版数は V2.J17.S4 。これを updateしなければ動く気配です。 動かなくなったやつも、ファームウェアをダウングレードすれば動くかもしれません。手段があれば教えて下さい。
(旧いソフトを探して、V2.J24までは試したのですがだめでした)
別のお店にも注文してみた所、V2.J29.S7 が入ったのが届きました。こっちのほうが良さそうですね。ただ、蓋(ケース)が接着されているようで中のMCUを確認できません。
管理人です (水曜日, 17 6月 2020 22:48)
なんと!F102バージョンもあるんですね。
しかも動かないとは。。。
いくら安いとは言えなかなか自由な発想で驚きます。
気合を入れて配線を追いかけていけば正解が分かるのかもしれませんが、費用対効果でペイしないですね。
ここは中華あるあるだと思って次に期待ですかねぇ。
森のカエル (火曜日, 16 6月 2020 01:40)
手元の、中華なんちゃってSTLINK-V2 (外観は上のお写真とそっくり)が動かないので開けてみたら、32F102 が使われていました。というわけで3つ目のバージョンもあるようです。
ピン配置(並び)は、シルクの文字を信じるなら32F103のと同じです。
動かない症状は、「PCアプリからSTLINKV2として認識するのだけれど、先につないだターゲットボード(MCU)は認識しない。書き込みもできない」です。(F103が載ったSTLINKからは同じ接続で書き込める)
ひょっとしたらファームが不整合なのかもしれない。
もしくは、(シルク印字が嘘かつ)ピン配置が違うのかも。
単に壊れているのかもしれませんが・・