(2018.1.17 作成)
このページでは基板の切削用にガーバーデータからGコードデータを作成するソフトFlatCAMの使い方を紹介しています。外形データ以外については1回目で紹介していますので、そちらもあわせてご参照ください。
FlatCAMにはもともと外形加工用にBoard cutoutというコマンドがあるのですが、四角形にcutoutされてしまいます。
このため左図のようにコーナーに面取りがあったり、異形の外形の場合には使用できません。例えば左図の場合、赤線がBoard cutoutで作成された加工線なのですが、コーナー部が形成されていないです。
そこでこのページではどんな外形でもカットできる方法を紹介しています。ちなみに元ネタはソフト作者さんの解説記事からです。
まず読み込んだ外形データ(edge.cuts)をダブルクリックし、編集モードにします。
その後Board cutoutではなく、通常の配線パターン形成と同じIsolation Routingを使用してGeometry objectを作成します。
そうすると右図のように赤線で描かれているように外形の外と内に加工線が描かれます。
今回の外形データ作成のポイントはこのGeometryオブジェクトを編集して内側の加工線を削除し、タブ(FlatCAMではGapと表現)を形成することにあります。
まず先ほど作成したGeometryオブジェクト(xxx-Edge.Cuts.gbr_iso)をprojectタブより選択してダブルクリックし、選択します。
そして画面上部の"Edit geometry"アイコンをダブルクリックしGeometry編集モードにします。編集モードでは編集前の線が赤色で表示され、編集中の線が青色で表示されます。
初期では外形の内側と外側が一つのジオメトリとして認識されていますので、これを分離します。そのためにはまずジオメトリを選択した後、上のアイコンの中から"cut path"ボタンを押します。これで内側と外側のジオメトリが分離され、別のオブジェクトとして認識されます。
その後内側の線だけを選択して"delete shape"ボタンをクリックします。そうすることで内側は赤色、すなわち編集前の線だけとなり、外側は青色の編集前の線になります。
あとは"Update Geometry"ボタンを押して編集モードから抜けると図の通り内側の線だけが削除されています。
次は切削途中に母材から基板が外れてしまわないように母材とつながるタブを作成します。タブをつけずに外形加工時に薄皮を残す方法でもよいと思うので、その場合はこの項を飛ばしてください。
再び外形ジオメトリ(xxx-Edge.Cuts.gbr_iso)の編集モードに入ります。
適当にグリッド機能を利用しながらタブをつけたい位置に四角を描きます。左の例では基板の左右に2mmのタブを設置する場合です。
次に外形線に一部切り欠きを入れるため外形線を最初に選択した後、Ctrlキーを押しながら連続して描いた四角形を選択します。
その後"Polygon subtraction"ボタンをクリックすると外形から描いた四角形部分が分離されます。
あとは余分な部分を削除して "Update Geometry"ボタンをクリックするとジオメトリオブジェクトが更新され、左図のようにタブがついたパスが形成されます。
カットするジオメトリオブジェクトまで作成できれば他のジオメトリと同じようにCNCオブジェクトを作成し、加工深さ等を設定してGコードを作成すれば終了です。