カメラ

(2017.6.7 作成)

 このページでは中華CNCにUSBカメラを設置して位置決めや寸法計測に利用する方法を紹介しています。0.1mmぐらいの精度で切削やレーザー加工ができるので設置してもも良いのではないでしょうか?

 使用しているソフトはbCNCのver.0.9.9になります。

使用カメラ

 USBカメラであれば基本的に何でも動きはすると思うのですが、LED照明がついたものをお勧めします。管理人は以下のようなUSB顕微鏡を購入して使用しました。(画像はAmazonさんのリンクです)

 記事執筆時点ではAmazonさんで約600円、Aliexpressでは$5以下で購入できます。おそらくUSBカメラとしては最も安価な部類ではないでしょうか?

メカ設計

 Fusion360を用いて以下のような取り付け冶具を設計しました。

管理人は作った後で気づいたのですが、新たに設計される方は以下の点に留意されることをお勧めします。

  • カメラを回転できるようにしておく。-- bCNCの機能でソフト的に回転させることができるのですが、他のソフトを使用する際のことを考えて角度を調整できるようにした方が良いです。
  • カメラをなるべく下に設置する。-- カメラを使用して調整する際にエンドミルを安全高さまで上げて移動させると思うのですが、その際カメラがZステージに設置されているとカメラも一緒に上がってしまいます。カメラがワークから遠くなってしまうと位置決め精度が下がってしまいますので、なるべく下げて設置した方が良いです。
  • カメラの傾きを調整できるようにしておく。 -- カメラをステージに対して完璧に垂直に設置できていれば問題ないのですが、カメラが傾いているとZステージを上下させることで見ている位置がずれます。こちらの動画で調整している方がおられるので参考にされればと思います。鏡を使って垂直を出しています。

 こちらで3D CADデータを閲覧、ダウンロードしていただくことができます。ご参考にしていただければと思います。

製作、取り付け

 100均で購入したMDF材を切削して上記の冶具を作成しました。CNCに取り付けたところ気持ち良いぐらいぴったりフィットしています。設置位置が決まったらエポキシ接着剤で固定しました。

Pythonの設定

 HWの設置が終われば次はソフトの設定です。

 

 bCNCでカメラを使用するためにはOpenCVやPILをインストールする必要があります。さらにPython-OpenCVをインストールするためにはNumpyとmatplotlibをインストールする必要があります。

 へ??ですよね。

 Pythonを使用されたことがある方はご存知だと思うのですが、Pythonとはベースとなる言語に様々な人が開発したライブラリ(Numpyなど)をインポートすることで強力な言語となっています。

 しかし実際はこのようなライブラリが山のように存在していて、それぞれのバージョンごとに依存性があったりします。ちょっと素人が手を出して理解できるものでもありません。

 そこでここではAnacondaというPythonディストリビューションを使用することをお勧めします。本来はデータサイエンティスト用で不要なライブラリやIDEなども大量にインストールされてしまうのですが、各パーツの管理コストを考えるとAnacondaを利用したほうが効率的と思います。

 以下の手順でAnacondaのインストールを行うことができます。

  1. (もしあれば)素のPython2.7のアンインストール
  2. Anacondaのインストール。bCNCは現在Ver.2.7にしか対応していないため、2.7系をインストールしてください。
  3. PySerialのインストール。スタートメニューから"Anaconda prompt"を選んでコンソールを開き、"conda install pyserial"と打ち込みます。
  4. OpenCVのインストール。ファイルをダウンロードし中に入っているcv2.pydをライブラリフォルダ(デフォルトだとC:\Users\<ユーザー名>\Anaconda2\Lib\site-packages)にコピー

です。無事インストールできたかは Anaconda promptを開き

pythonと打ち込んでPythonプロンプトを起動し

import cv2

print cv2.__version__

と打ってバージョン番号(3.2.0など)と表示されればOKです。

 終了するは

quit()でpython終了

exit()でAnaconda prompt終了

です。

 

ちょっと長くなったのでこの続きは別ページに移動します。

その2はこちら